HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points:危害分析重要管理点)システムは、1960年代に米国の宇宙開発計画の一環として、米国航空宇宙局(NASA)と米国陸軍Natick研究所 とが共同で、宇宙食の製造に当たって食品の安全性を高度に保証する衛生管理手法として開発されました。
現在は、食品の安全性を確保する上で最も効果的かつ効率的な手法であるとして高く評価され、食品業界に導入が推進されています。
国際的にも、FAO/WHO合同食品規格計画委員会(コーデックス委員会)からも、各国に本システムの積極的な導入を勧告しています。
日本では、平成7年の食品衛生法の改正において、HACCPシステムによる衛生管理を基礎とした「総合衛生管理製造過程の承認制度」を創設し、食品関連施設に対し本システムの導入を推進しています。
1. 原材料の生産⇒製造・加工⇒保存⇒流通⇒消費されるまでのすべての段階で発生する恐れのある「危害」を列挙し、調査・分析していきます。
「危害」とは、人が食品を食することで健康上の障害を招く恐れのあるもののこと。 (例:食中毒の原因菌、農薬、異物等)
2. 列挙した危害について、起こり易さや起こった場合の程度(重篤性)を明らかにし、どの段階が重要なポイントになるかを判断し、「重要管理点」(CCP)とその「防御対策」を決定していきます。
「重要管理点」とは、原材料の生産⇒製造・加工⇒保存⇒流通⇒消費に至る段階で発生する恐れのある危害について防御対策ができる製造工程や段階等のことを言います。
3. それらの監視・管理をすることにより、製品の安全性及び正常性等の品質を確保します。 上記について、具体的に「どのようにするのか」、「なぜそのように判断したのか」、「本当に実施されているのか」等を文書化し、製造に関するすべてを記録します。また、作成した「HACCPシステムプラン」が製造する食品の安全性を十分に確保できるのかどうかを「検証」することも重要な確認事項となります。


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